PIST6

【レビュ― PIST6 2024㊱】稲毛健太が激戦を制して初V

PIST6 2024 ラウンド34は1月21日(日)に最終日が行われて、決勝戦には20代から50代の幅広い層の選手が勝ち上がった。スピード型が多数揃った一戦は、残り半周からまくった河端朋之が完全Vを飾った。2着には好位から抜け出した市本隆司が入り、先行した藤井昭吾が3着に逃げ粘った。

決勝戦のスタートポジションは先頭から藤井昭吾-塩崎隼秀-市本隆司-黒瀬浩太郎-神田龍-河端朋之。レースは残り5周を過ぎた辺りで神田が最後方にワープし河端は5番手からレースを進める。残り3周でペーサーが退避すると塩崎が先にインを切って、その上を市本-藤井の順で叩く。残り2周では3番手となった塩崎がスパートを開始するも、先頭に立つ藤井がその仕掛けを合わせて、そのまま先行態勢に入る。前団が踏み合いとなり、黒瀬が残り1周でまくりを放つも、2番手の市本に合され後退。終始、黒瀬に警戒されていた河端は残り半周で車を外に持ち出し、4車併走の大外を豪快にまくり切った。

「ライバルの市本さんに負けなくて良かった(笑)。(決勝戦を振り返って)厳しい位置だったし、黒瀬君にも警戒されて最後まで届くかわからなかった。最後はむりやり行って、どうにか力で乗り越えられた。最近の中では一番きついレースだった。(シリーズを振り返って)久々ということもあってレース勘があまり良くなかった。仕掛け所とかも全体的にうまくいかなくて、それが決勝にも出てしまった。(今年の目標は)昨年はGIの決勝に乗れたけどマグレみたいな感じもあったので、まずは記念の決勝に乗ることを目標にしていきたい。PIST6でもこのまま連勝を伸ばせるように」

これで初優勝を飾ったEXTRA STAGE 年間ファイナルから破竹の24連勝で6連続完全Vを達成。PIST6ではもはや敵なしの状況で、この勢いはとどまることを知らず、今年も快進撃を続けることだろう。

『初参戦組が奮起』
今節は2名の選手がPIST6に初参戦した。A級戦で活躍する北川大五郎は適性組で競技実績こそないが、連日軽快な動きを披露して1次予選では連対し、準決勝でも確定板入りを果たした。鷲見逸喜は現行競輪では追い込み型として奮闘。初日の予選こそ見せ場なく終わったが、最終日の順位戦では残り1周半からのスパートでPIST6初勝利を飾った。両者ともに決勝進出とはならなかったが、今後のPIST6での活躍を期待させる走りを披露した。

PIST6 2024 ラウンド36は2月3日(土)に最終日が行われて、決勝戦には実績豊富なS級選手に加えて2名の新鋭が初優出を決めた。ダッシュ型同士により繰り広げられたスピード戦は、残り1周からまくった稲毛健太が完全Vを決めた。2着には稲毛を追った佐藤幸治が続き、落車再乗した渡辺正光が3着に入った。

決勝戦のスタートポジションは先頭から真鍋智寛-稲毛健太-渡辺正光-菊地圭-志智俊夫-佐藤幸治。レースは残り3周でペーサーが退避すると志智がインを切って、その上を佐藤が押さえる。佐藤を追った菊地は2番手で外併走となり、残り1周で一気に叩きに出ると、叩かれた佐藤との間に車間が空く。その隙を見逃さず稲毛が2番手に入り、残り1周から仕掛けた真鍋に合わせてスパートを開始。真鍋を合わせ切った稲毛は残り半周で菊地を捕らえると、最後は迫る佐藤も振り切り先頭でゴール線を駆け抜けた(なお、直線で後続の4車が落車し、渡辺、真鍋の2名が再乗)。

「(決勝戦を振り返って)コースはどこでも良かった。残り1周では先に仕掛けないと誰かが来ると思って、詰まったタイミングで踏んだ。しっかりモニターを確認して仕掛けられたし、そこが良かったと思う。(シリーズを振り返って)今までも調子が悪かったわけではないし、自分はしっかり仕掛けられるかどうかが鍵。今節は1次予選で先行していいタイムで逃げ切れたのでそれが自信になった。次回のPIST6も優勝を意識せずに、しっかり前々に踏む意識をもって走りたい」

PIST6は5度目の参戦となり、今節は逃げてまくってと軽快な動きで初Vを達成。過去にはナショナルチームに在籍していた時期もあり競技適性も申し分なく、今回の初優勝を皮切りに稲毛健太の怒涛の快進撃が始まりそうだ。

『ベテラン勢が250バンク躍動』
今節はS級選手が多数参戦しハイレベルのシリーズとなったが、その中でもベテラン勢の活躍が目を引いた。市本隆司は1次予選で優勝経験者の永澤剛を相手に外併走で2周以上モガき合い、最後は永澤を退けて勝ち切った。小野大介も1次予選では大本命の荒川仁を破る大金星を挙げて、3連単35570円の高配当演出。惜しくも準決進出とはならなかった水谷良和は順位戦で好タイムのまくりを決めて勝利し、S級選手としての意地を見せた。

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